抽象芸術ってなに?|ユーテボリ美術館(Göteborgs konstmuseum)で抽象芸術(Post-War Abstract Art)の展示を観てきた

ユーテボリ美術館(Göteborgs konstmuseum)に、友達と行ってきた。

“The Universal Language(世界共通言語)” という題の展示で、「戦後の抽象芸術(Post-War Abstract Art)」が集められていた。芸術のことはあまりよく知らないけど、抽象絵画はとても好きなのでこんな家に住みたい…と思いながら見ていた笑。

この記事は抽象芸術とは何か?について、発生してから今までの抽象芸術の経緯と、今回のユーテボリ美術館の展示の意義について書いている。

抽象芸術って何?

展示されていた中からお気に入りを選んだら似たような感じになった

芸術初心者なので、まず抽象芸術(Abstruct Art)が何かを、調べた。

抽象芸術とは、現実世界における具体的な対象を写しとらず、形状、形態、色、線といった造形要素それ自体を使って構成される作品。現実という表層の下に隠れた世界の本質(骨組みや構造など)を表現することを目的としている。
引用:【美術解説】抽象芸術「造形要素自体で構成される美術」

世界の本質を表現する…そんな高尚な取り組みだったとは。

リビングに飾りたい!とか、ファッションの一部のように扱ってしまってちょっと恥ずかしい。

どういう経緯で抽象芸術が生れたかというと、

西洋芸術はルネサンスから19世紀のなかばまで、できるかぎり現実の世界(目で見える世界)をそのまま忠実に再現しようと努力してきた。

しかし、19世紀の終わりごろから写真や科学が浸透し始めて、絵画の存在意義が低下してくると、これまで画家たちの顧客だった教会からの支援が減少する。生活に危機感を感じた多くの芸術家たちは、絵画に対して新しい価値観を提示する必要に迫られた
引用:【美術解説】抽象芸術「造形要素自体で構成される美術」

そもそも西洋芸術の顧客が教会だった、というのはヨーロッパの教会のすごい絵画たちに現れているなあ

抽象絵画って、よくわからないし現実離れしているから高尚な感じもしていたけど、芸術家たちの生活苦から生み出されたというのは面白い。人間味溢れている。

そうして、目に見えないものを描こうとするさまざまな新しい美術(近代美術)が現れ始めた。内面を表現しようとフォーヴィスムやシュルレアリスム、複数の視点から世界を描くキュビスム、速度を描く未来主義などである。

この新しい絵画はかつての顧客であった教会よりも、一般人、特に富裕層や哲学者たちに受けいられるようになった。芸術家の顧客は教会から富裕層へ知識人へ移行した。抽象芸術もこうした流れの中で発生して、受けいられるようになった。
引用:【美術解説】抽象芸術「造形要素自体で構成される美術」

社会の構造が変わって需要が変わると、芸術も変わるらしい。

そしてPost−War(戦後)というのは、芸術の中心がヨーロッパからアメリカへ移った時期でもあるのだそう。

1940年代前半、第二次世界大戦の戦火を避けて、ヨーロッパからシュルレアリスム、抽象絵画、バウハウス関係者など、美術家、音楽家、建築家、デザイナーらあらゆる種類の前衛芸術家がニューヨークに亡命します。

また、第二次大戦に大勝したアメリカは産業、政治面で世界をリードする地位に立ち、その強大な国力はすぐに芸術面においても反映され、ヨーロッパの前衛を担う人々がアメリカに移ってきたことにより、ニューヨークが芸術世界の中心地になり、やがて行き詰まった近代絵画はモダニズムの影響も受け、アメリカの若い画家たちにより、さらに先鋭的な絵画へと発展し、ここに抽象表現主義とよばれる絵画運動が興ります。
引用:戦後アメリカ美術

今回の展示はどんなもの?

そして、今回の展示はどんなものなのか。

展示品は、ユーテボリ美術館が1945–70年に集めた作品群らしい。ユーテボリの街はこの時代、抽象芸術の展示などを数多く催していたらしい。

引き続き展示の概要を読んでみた。芸術用語がわからないけど、かいつまんでみると…

  • 第二次世界大戦のあとの数十年間、”抽象”が世界のアートシーンを牛耳っていた
  • アブストラクト-アート(抽象芸術)はその作品の内容(色と形の関係性)をそのまま伝える“世界共通語”としてみられてもいた
  • 研究によると、ユニバーサルとモダン、インターナショナルとナショナル、中央と周縁との間に対立が生まれていることが明らかになってきた
  • インターナショナリズムは比較的固定している「国の文化」の交換である、という考えは繰り返し提起される
  • 1950−60年代には、世界中の芸術家たちがそれぞれの抽象芸術作品をもってインターナショナルな抽象芸術を発展させているという考えがあった
  • 抽象芸術の優位性は、1960年代に起こったネオダダやポップアートのような運動によって脅かされた
  • 抽象芸術はあまりに社会から離れていると批判された
  • 今もたくさんの芸術家が抽象芸術を生み出しているが、その試みの野心は穏やかになっていてもはや時代の最先端ではない
  • 今回の展示は戦後の抽象芸術を芸術的質の高さゆえに選んでいるが、もう一つの狙いは、色々な意味で芸術に対する見方が多様な今日にもう一つの視点を提案することにある
  • 現代抽象芸術の世界的な効力に対する(ほとんどユートピアと言っていいような)信念は、芸術の質に対してより相対論的な見方をする今日と際立って対照的である

 

展示の狙いは「質の高い芸術を見せる」ことと「芸術の質への見方に新しい視点を与える」ことみたい。

 

抽象芸術について、一旦まとめ

抽象芸術の経緯と展示の狙いをまとめると…

  1. 写真や科学の発達などで西洋芸術が新しい価値観の提示を迫られて新しい手法が試され
  2. 第二次世界大戦の前後の芸術家たちとお金の移動で芸術の中心がヨーロッパからアメリカに移り
  3. インターナショナリズムの広がりに伴って世界全体で芸術(新しい抽象芸術)を発展させていく考えが共有された
  4. けれど、大衆文化を背景としたポップアートなどの新しい芸術運動に押されて下火になり
  5. 今やなんだか同じに見えるようなものになってる
  6. でも、このころの抽象芸術へのピュアな信念は、芸術の質に対する相対論的な見方をしている今の時代に新しい視点をくれるよ!(今回の展示の狙い)

ということらしい。

長くなったので友達との楽しい芸術鑑賞の話は次回!

 


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