スウェーデンのサンボ、結婚とどう違うの?

サンボって聞いたことありますか?
同棲婚カップルを指すスウェーデン語です。「サンボ」はsammanboende(一緒に住むの意「サンマンボーエンデ」)の略です。

そしてこのサンボは、結婚しているカップルと社会的・法的にだいたい同じ扱いをされるので、結婚しないでサンボのまま、子供を育てて…という人もたくさんいます。

私の先輩・友人もこの「サンボ」としてスウェーデンに移住しています。スウェーデン留学時に知り合った女性も、お子さんがいますがサンボでした。結婚しているカップルももちろんたくさんいますが。

さらに、最近親しい友人たちが日本で次々と同棲をはじめて(なんの偶然なんでしょう)、彼らをサンボと認識するとしたら、感覚としては結婚よりサンボの方が周りで多いので、いったい結婚する意味はあるのか!?と、気になり調べてみました。

サンボとは

サンボのメリット

サンボは、1988年からあるようです(サンボ法の成立が1987年、施行が1988年)。29年前!思っていたより長い。今の50代くらいの人たちから、サンボという選択肢があったんですね。

サンボのメリットは、やはり「お試し婚」ができる(サンボの後結婚するカップルも多い)、別れやすい、だと思います。

別れやすい、いうとなんだか縁起が悪いようですが、別れた時に結婚と違って自動的に財産分与することにはならないので、サンボになる前に持っていた個人資産はわけなくていいわけです。ただし、二人で築いた財産(共同購入した家とか)は半分になります。

お金が絡んで無駄に揉めるという修羅場が減るのかもしれないですね。

サンボの背景

前提として、スウェーデン人の「不幸な結婚を続けない」というスタンスがあって、これは子どもがいても同じです。“険悪な雰囲気”の中にいるより、行ったり来たりでも”いい雰囲気”の中で親と過ごした方がいい、という考えで、これを初めて聞いた時は衝撃を受けました。

もちろん子どものことだけでなく、本人達の人生として見たときに、我慢するより次に動いた方が幸せだという考えがあるのだと思います。結婚しても子どもがいても、「父」「母」「妻」「夫」という役割だけでなく「自分」としての人生を生きる、という風土があるように感じます。

また、「不幸な結婚を続けない」が可能になる背景には、基本的に共働きであり個人が経済的に自立していること(スウェーデンの専業主婦率は2%)、別れた後も親権が両親にあり子どもは両親に平等に会う権利があること、再婚(次のパートナーを見つけること)にオープンな雰囲気があること…などがあると思います。

なので、常に自分が幸せな状態にシフトしていけるという意味で、”別れやすい”というのはある意味ポジティブなことなのだと思います。

子どもはどう思ってる?

サンボの子どもについては、日本生まれ育ちの私からすると「いじめられたりしない?大丈夫?」と心配…になるのですが、親がサンボだという友人は特にそれを気にしている様子はありませんでした

というか友人の両親で別れていないカップルの方が少なかったような。。親がサンボか結婚してるかより、別れているかどうかの方が重要ですよね。

そもそもサンボで子どもができたら、「非嫡出子(婚外子)ということになるのでは?」という疑問が湧きますが、スウェーデンは戸籍ではなく全員背番号制(personnummerパショーンヌンメルという番号で管理されている)なので子どもの戸籍問題がないようです。

また学校のクラスの実に半数の子の親がサンボであるという調査結果もあり、サンボの子だからという理由で白い目で見られたり、なんてことは全くもってないです。また法的・社会的にも差別されることはありません

サンボが増えていって、未婚での出産への社会的認知が高まったことは、出生率の低下を食い止めることにも貢献したと考えられています。

スウェーデンの合計特殊出生率(一人の女性が一生に産む子供の平均数)は、1970から80年代に1.5とかにまで下がってしまいましたが、サンボ制度に見られるような結婚観の変化、そして大きくは「両立支援」「経済的支援」の充実によって2015年には1.85にまで回復しています。

結婚していた方がいい場面

では結婚していた方がいい場合は、ずばり、別れる時、特に死別する時です。つまり「遺産相続」ですね。
サンボのメリットとして「資産分与しないでいいから別れやすい(無駄に揉めない)」と書きましたが、その裏返しです。

もし急にサンボが亡くなってしまったら、遺言状で明記されていない限り、亡くなった人の財産は兄弟など親族に渡るそうです。

同じく「保険などの受け取り人」にも、自動的にはならないのだそうです。こういったところから、高齢になって「やっぱり結婚しておこうか」ということになるのかなぁと。

また別な場面としては、カップルのどちらかが外国人のとき。

例えばどちらかが日本人だったら、サンボは日本の戸籍に影響がないので、何かあった時に、他人として扱われるのではないでしょうか。。うーんこの辺りは、もしサンボができたら調べます。笑

さいごに

結婚にはやはり覚悟がいる…ということでしょうか…。

結局サンボと結婚の違いは「自動的に財産分与されるか否かだ」みたいになってしまったけど、実際はもっと見えない部分で違いがあるのかもしれないです。

しかし改めて、サンボという制度はスウェーデン社会を象徴しているなぁと思いました。基本、個人が自立していることが前提で、多様な選択肢が用意されていて機能している

カップルの形は「多様な個人x多様な個人」なので色々あって当然ですよね。たとえば、夫はいらないけど子供は欲しいとか、、自分と相手のベストな形にできていればいいと思う。

なので、そこに「結婚or別れる!」みたいな修羅場があるのは悲しいし、関係のない他者からの「なんで結婚しないの?」みたいな干渉があるのは、なんだかなぁと思う。

サンボと結婚(そして週末婚みたいなsärboサルボ/セルボというのもあるんです)という一緒にいるための多様なステータスが普及していると、難しい部分もありつつ自然で健康的なのではないかなと、思います。

結婚や家族に関する社会的プレッシャーが強くかけられがちなアジア女性の立場から言うと(笑)、社会全体に多様な考えが広まって、個人個人が生きやすくなるといいなあー!と思います。

将来のことはわからないけど、結婚OR別れる!の修羅場は日本各地で繰り広げられていると思うから、こういう結婚観の文化もあるのだと知って、自分たちの一番いい形を堂々と取れるようになったらいいなーと思います。


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