アラサー女ひとり旅、安宿ホステルとの決別。

アラサーである。スウェーデンなど大柄な人が多い土地にいると特に若く見られるし、というか子どもだと思われるので忘れがちだけど、まごうことなきアラサーである。

今回スウェーデンには4週間滞在していて、何せ長いので、宿泊費を抑えるためにユースホステルを予約した。学生の頃は宿といえばホステルかゲストハウスが定番だったし、今回も共有バスルームや壁が薄いというレビューも大して気にならなかった。それになによりお金は限られているし、スウェーデンではビザ的にもバイトはできない。

ということで安いホステルに滞在すること2週間。かなり快適に過ごしていた。シャワーもトイレもたまに人とタイミングがかぶるくらいで、よく掃除されているし、キッチンは冷凍庫がない以外不満もない。

 

が、しかし。

新たに到着した宿泊客たちによって、わたしの平穏は破られたのである。

男性グループで、どうやら何かの仕事の同僚らしい、ということが後から分かったのだけど、非常に「若者ノリ」だった。共有キッチンにずっと居て、大音量で音楽を流し、大声でしゃべり、時に怒鳴りあいながら廊下を闊歩する。夜になると、何人かは明らかに酔っ払いあるいはハイになっている。おっかない。

修学旅行気分の高校生か大学生か、と思っていたが、すれ違いざまに見てみるとそこまで若くもなさそうだ。厄介な奴だったら困るし、そのホステルはスタッフ常駐ではないので報告もできない。こっちはチビのアジア人女ひとり、という最弱部隊だ。わたしは徐々に部屋から出るタイミングを伺うようになり、ストレスになった。

 

結局、ある夜彼らが騒ぎのなかでわたしの部屋のドアをバーンとした(おそらくフラフラしていてぶつかっただけなのだけど)ことが決定打となり、わたしは近くのホテルを予約してホステルから脱出した。

のちのちスタッフから、彼らはただの騒ぎたいだけのいい奴ら(キッチンの掃除を手伝ったり)だったぞ、と連絡が来た。わたしがプラスアルファのお金を払ってホテルに移動するほどじゃないのに、という感じらしい。たしかにそうかもしれない。でもひとり夜、あの騒音のなかでストレスを溜め続けるのが正解か?危ない奴か確かめることすらリスクを伴うなかでエイヤッと注意するべきだったのか?

 

世の中、女一人旅は面倒なようにできている。女というだけで舐められるし、単純に腕も弁もたたないから仕方ない。理不尽だとは思うし変えたいけれど。だから過剰なくらい自衛して俊敏に逃げるのである。

ちなみにホステル・安宿というのはきちんと選ばないと、あるいは選んだとしてもあまり客層の良くない日もある。今回話したスタッフによると、この近くのホステルではある宿泊客が薬物乱用でお亡くなりなって発見されたという事件もあったらしい。そんなことはもちろん稀なのだけど、過剰にビビって事なきを得るくらいでちょうどいい、とわたしは思っている。

 

しかし正直なところ、5年前の自分だったら彼らをストレスに感じただろうか?と疑問に思う。彼らはたしかにうるさかったし、迷惑だったけれど、一番よくホステルを利用していた頃の記憶を引っ張り出してみると、そんな人たちは普通に居た気がする。そんなもんだ、と思ってやり過ごしていた気がする。大したストレスになっていなかったので「気がする」程度の記憶なのだけど。

よく旅をした5年前と今で変わったことは色々あるけれど、これを「年月を経て変化したから=歳のせい」と表現するならば、歳のせいかもしれないな、と思った。

若者ノリは自分が若かった頃から苦手だけれど、もはや耐えられなくなった、ということも「歳のせい」だし、つまるところホテルへ移動するという選択肢を持っていた、ということも「歳のせい」(おかげ?)だ。

もう一つ変化した重要なことは、旅をするときに何に重きをおくか、だ。昔はとにかく、新しいものを見てまわる、ということが最重要で、その他はどうでもよかった。今は、自分の状態が崩れないように日常を最低限確保しながら、見て回る、という感じだ。そう、住環境の重要度がすごく高くなったのだ。

 

実際、今ホテルに移動してきて、騒音が消えたこと、専用のバスルームがあること、これがなんと有難いことか!と感動している。そして、今後旅をする時は、この生活クオリティを確保したいものだ、と心に決めている。アラサーにして、ひとり安宿との決別である。

もちろんゲストハウスの交流がある感じも好きだし、ドミトリーも普通に使うのだけど、一人で長めの滞在でとなると、何かあったときに対処方法が限られるし、できれば宿をケチらないでいい大人になりたい。(仕事します)

 

大人になると、こうしてお金がかかるようになるのかな、とぼんやり思った。若いというのはたぶん、お金に換算してもかなり価値のあることなんだな、なんて思ったり。


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