【ハワイ日系移民渡航150周年】東洋文庫ミュージアム『ハワイと南の島々展』に行ってきた

東洋文庫ミュージアムで開催されている、ハワイ日系移民渡航150周年展示『ハワイと南の島々展』に行ってきました。

たくさんの資料と解説で、いままであまり触れた事のなかった太平洋の島々の歴史や島々を”発見”した西洋人の風景も感じる事ができました。

そこで日本の立ち位置って不思議じゃない?と思ったのでつらつら書きます。

 

「太平洋の島々について学ぶ機会を得られません。」

東洋文庫のハワイ日系移民渡航150周年の展示『ハワイと南の島々展』、太平洋の島々についての資料がたくさん並べられていて、ミクロネシア、ポリネシア、メラネシア、の並びに小笠原諸島や沖縄島などの資料もありました。

展示のはじめに、見出しのことばがあり印象に残りました。日本は太平洋の島なのに、他の太平洋の島々の歴史について学ぶ機会がない。世界史はだいたい西洋の大きな国のことを勉強するし、日本史は日本の国内のことに終始するから。

引用:東洋文庫ミュージアム

以前、SWITCHインタビュー達人達というテレビ番組で、祖母が奄美大島出身という女優の満島ひかりと、“3万年前の航海徹底再現プロジェクト”などに取り組む人類進化学者の海部陽介の回を観ました。お互い違った手法で「ルーツを探る」作業をしていて、すごく面白いインタビューでした。そのなかで『はじめの日本人は海を渡ってきた』という事実を知らされて(知っていたはずなんだけど、改めて言われると、はぁそうかぁと新鮮で)、その頃から、太平洋の他の地域と自分(日本)との繋がりをうっすら意識するようになっていたのだけど、今回東洋文庫の展示がそういう見せ方をしてくれていて、なんだか嬉しくなりました。

 

わたしはアジア人であり太平洋上に住む人である

日本で習う”世界”は偏っている、と思います。これは学校の授業時間の都合もあるし、今の日本が関わる国と地域の中から、教育を司る偉い人たちが”優先順位”を決めた結果なのだろうと思うのですが、その結果でしょうか、日本に住んでいて、自分が太平洋の島の上に住んでいると自覚する人は少なそうです。なんなら”アジア”と日本を分けて考えることもしている。言葉の定義は文脈によるし、それが正しいとか間違ってるとかではないのだけど、意識としてなんだか不思議な立ち位置にもってきているなと感じます。

引用:3万年前の航海 徹底再現プロジェクト – 国立科学博物館

留学でヨーロッパに滞在したとき、わたしは「日本人」というより「アジア人」として扱われた、気がします。アジアがとても遠いので、日本か中国かインドネシアか区別できない人もいます。逆も然りでエストニアやセルビアやルクセンブルクがどこにあるか知らない日本人がいるのと同じ事です。そのとき、日本人としてではなく「アジア人」として扱われる事に驚く自分もいました。

それまでアジアから離れて生活した事がなかったので当然といえば当然なのですが、留学して一番よかったのは自分がアジア人なんだと肌で感じ取れたことかもしれません。そして今度は自分は太平洋の島に住む人だ、という感覚に触れられた。

 

ボーダーレスな世界でルーツや立ち位置に無自覚でいるのは心許ない

年明けごろから、心のしくみが気になって、その流れで哲学や思想史にも興味を広げていたのですが、レヴィストロースが構造主義を言い出したのが「未開人」の研究からだったというのに触れて「なんと西洋の傲慢なことよ!」と思い、未開人という発想のベースになっている西洋文明についてあまりに知らないことにも衝撃を受けました。

日本人として日本の教育にどっぷり浸かってきた自分の無意識に、日本的な、西洋からの輸入思想がしっかり染み込んでいるのだろうということにもハッとさせられたし、それらに無自覚なまま、これから自分が混沌とボーダーレスになっていく世界で生きていくのはとても心許ないと感じます。

なぜ心許ないのか、うまく言語化できないのですが、自分の考えが一体どこからきているのか、自分がどういった思考のベースを持っているのかに意識的になると、その考えを疑ってかかることもできるし、意見の食い違う相手の思考のベースに(理解はできなくても)想像を働かせることができるのでは、と思うのです。

これから数十年生きていく中で、絶対に新しい当たり前に遭遇していく。そのときに多分、戸惑うのだけど、その新しいものが個人単位でも集団単位でも、どういう流れの中で生まれたものなのか、に想像力を働かせないと、簡単に拒否したり分断に加担してしまったりすると思う、それがこわいなあと思うのです。

 

さいごに

『ハワイと南の島々展』東洋文庫ミュージアムで、2018年5月27日(日)まで開催しています。

東洋文庫ミュージアムにある『モリソン書庫』も圧巻の迫力(そして本好きにとっては天国のような景色)なので是非いってみてください:)

 

ちなみに、ハワイ日系移民150周年で記念イベントなども開催されるようです。ハワイのマウイ島が多いようですが、GWハワイへ行かれる方とか是非!笑

2018年はハワイ日系移民150周年になります。明治元年に約150名の移民が日本からハワイに到着したので、彼らは「元年者」と呼ばれています。1年を通して様々な記念行事が行われますので、ぜひ当地の日本関連団体が集まり結成された実行委員会の専用ホームページをご覧下さい。
www.kizunahawaii.com

引用:在ホノルル日本国総領事館

 

普段家の中にいるのに、広大な世界へ思いを馳せる自分が少し可笑しくもあるけど、未来よ開けかし!ということで。


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